「みんなのコミック」は2018年10月31日を持ちまして更新を終了いたしました。
2020/11/09 追記: みんコミAdvent Calendarその他の知見を元に、漫画表示用カスタムビュー「MangaView」を公開しました。
[12/22追記: requestDisallowInterceptTouchEvent
のハンドリングについては、onTouchEvent内で処理するより、onScroll
メソッド内で処理する方が適切だと考えています]
はじめに
この記事は「みんコミ Advent Calendar」の21日目の記事です。
「みんコミ」のAndroidアプリ(バージョン1.0.3)をベースに執筆しています。スクリーンショットは極力控える方針ですので、本記事を読む際には、「Google Play Store」からアプリをインストールしておくことをお勧めします。
「みんコミ」アプリのコミックビューアーのピンチイン・アウトをしたときの拡大縮小については前の記事で述べましたが、今回はピンチイン・アウトをした後の挙動についてです。
現在のコミックビューアーは、ピンチイン・アウトをした後、ディスプレイから指を放すと、スクロールが一気に跳ぶことがあります(Scrollerを使った滑らかな移動ではなく、一瞬でスクロール値が変わる感じです)。
再現手順は次の通りです。
- ディスプレイに指Aを触れる
- ディスプレイに指Bを触れる
- ピンチイン・アウトで拡大縮小する
- ディスプレイから指Bを離す
コードを見ていないのではっきりとしたことは言えないのですが、MotionEvent
のgetRawX
などで絶対座標をとり、mLastTouchPositionX
などのフィールドに保持をする仕組みにしているのではないでしょうか。
続いてonScaleが始まる直前、二本目の「指B」が触れた時点で、フィールドに保持している値が「指B」の座標に書き換わってしまっている。
そして「指B」を離すと、次にonTouchEventを受け取ったときに「指B」から「指A」に一気に座標が跳び、結果としてディスプレイの表示も跳んだと考えられます。
それを裏付ける証拠として、前記の手順で指を二本触れた状態から「指A」の方を離すと、スクロールが跳ぶ現象は起きません。また、指Aと指Bの距離が遠いと、ディスプレイに指Bが触れた時点でスクロール量が変わることもあります。
このようなスクロールイベントもGestureDetector
に任せることができます。
GestureDetectorの使い方は、前の記事で触れたので割愛します。
OnGestureListener
のonScroll
でスクロールイベントを受け取ることができます。得られた値をもとにmDestRect
の位置を変えています。
distanceX、distanceY共に符号の逆転を忘れないで下さい。
@Override
public boolean onScroll(MotionEvent e1, MotionEvent e2, float distanceX, float distanceY) {
mDestRect.offset(-distanceX, -distanceY);
invalidate();
return true;
}
また、ViewPagerにイベントを渡す、渡さないの判断をしたい場合、onScroll
メソッド内部でスクロールの可否を判定した後、結果をtrue/falseで返すことで、onTouchEvent内で受け取って処理することができます。
@Override
public boolean onTouchEvent(MotionEvent event) {
mScroller.forceFinished(true);
boolean handled = mScaleGestureDetector.onTouchEvent(event);
handled |= mGestureDetector.onTouchEvent(event);
return handled | super.onTouchEvent(event);
}
サンプル(ViewerActivity)を含めたコードをGitHubに置いておきます。参考になれば幸いです。
https://github.com/keiji/adventcalendar_2015_mincomi
「有山圭二」は「みんなのコミック」及び運営の「株式会社イーブックイニシアティブジャパン」とは一切関係がありません。
また、本アドベントカレンダーの内容はあくまで参加者個人の見解です。
「みんなのコミック」の評価を目的とするものではありませんので、ご了承下さい。
みんコミといえば、僕が普段からお世話になっている根雪れい(@neyuki_rei)さんも連載していますね!
おかあさん(10)と僕。という10歳のおかあさんマンガが2話まで読めますよー…読んでくださいませ~ https://t.co/UfxCfaOYRZ pic.twitter.com/M7ioKciVZX
— 根雪れい.おかあさん(10)と僕。連載中 (@neyuki_rei) December 19, 2015
根雪さんの作品の更新は来年になるので、
西園寺君は今日から庶民 https://t.co/IuSelfRghD #みんコミ
描いてます pic.twitter.com/Oz091CV3fz
— かやはら (@kaya7hara) November 24, 2015
お金持ちのセレブリティ「西園寺君」が社会勉強のために庶民的な生活を経験しにやってくるというストーリーなのですが……お父さん、ちょっといきなりすぎやしませんか。
現金を持ち歩くことも知らない自分の子供に、いきなり庶民の生活をさせるのは、蛙を熱湯に投げ込むようなものだと思います。
しかし、連載作品は基本的に女性キャラが多く、男性キャラはかなり濃いめなラインナップが揃っている「みんコミ」の中で、「西園寺君」は、ずいぶんとまともな方に見えてしまうのが不思議です(「おかあさん(10)と僕。」の春君は、あの状況で正気を保っていられるのはすごいと思うので除外します)。
あ、眼鏡っ娘は出ません。が、前髪ぱっつんがメインストリームのようです。
我らがAndroid開発者界の誇る前髪の神の判定を待ちたいところです。
それでは明日22日の担当は、技術的な内容を書くことより、「みんコミ」の作品の感想を書くときの方がよほどものを考えている「有山圭二」さんです。
よろしくお願いします。