明けましておめでとうございます。本年も宜しくお願いいたします。

今年は、ハードウェア開発の分野に本格的に挑戦する年にしたいと考えています。また、引き続き経営の分野でも、様々な実験をしていきます。

経営的、技術的にも未経験の分野への挑戦もあります。出来たのものは、どんどんアウトプットしていきますので、皆様、本年も、ご指導ご鞭撻のほど、宜しくお願いいたします。

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僕は、字を書くのが好きです。紙の上を万年筆のペン先が滑る感覚は、キーボードでの入力とは違った楽しみがあります。けれど、字が上手いというわけではありません。

きれいな字を書く人にあこがれて、自分も綺麗な字を練習しようとペン習字の本を買って、練習してみるのだけど、長続きしません。

ペン習字の本には、『上手い字を見て、自分の書いた字を見比べて、どこが違うのか。観察しましょう』と書いてありました。

そして気づくのは、最近、「人が書いた字」をほとんど見なくなったと言うことです。

今あなたが、部屋の中を見渡して、自分で書いた字は、どれほどあるでしょうか。自分以外の人が書いた字を、どこかに見つけることができるでしょうか。

人の字が少なくなり、上手い字を見て学ぶ機会が減ったのだと思います。少なくとも、僕はそうです。

さて、僕のいる領域。ソフトウェア開発は、学ぶ機会が多い領域だと思っています。

ネット上に、ソースコードを公開してる人が、たくさん居ます。上手い人のソースコードを見て、学ぶことが出来ます。

一方、僕がいるもう一つの領域。経営の領域では、これは字の練習のように、なかなか難しいと思います。

会社の外から見える経営は、印刷された文字と同じです。その下には様々な試行錯誤がありますが、外に出てくるときにはそぎ落とされています。

ソフトウェア開発の話に戻ります。『どうすればプログラムが書けるようになるのか』という質問を受けることがありますが、僕には、その道筋をきちんと示すことが出来ません。いつの間にか、ある程度書けるようになっていたからです。

ウェブや本に載っているサンプルの真似をして、パラメータや構文を変えながら、その意味を理解する努力をしていきます。それらを使って目で見える形に小さな作品を作っていく。それを繰り返すうちに、なんとなくソフトウェアが書けるようになっていました。

もちろん、人の作ったプログラムのコードは、ある程度整った形で出てきます。どのような試行錯誤を経て、その形になったのか。行間を読む力というのは、養う必要があります。

それらしいコードをコピーしているだけでは、良いソフトウェア技術者になれなません。

そして気づくのは、経営とソフトウェア開発は、実は似ていると言うことです。

先ほどは経営を字の練習に例えましたが、あれは全ての場合に当てはまる例えでは無いと思います。文字自体は、文化圏によって成り立ちに差異はあれ、一つ一つは記号で、情報を伝達する「手段」に過ぎません。

経営もソフトウェア開発も、小さな要素から構成されます。

ソフトウェア開発に、プログラム言語としての文法から設計があるように、経営にも事務経理のように堅実なものから、戦略立案のように正解のよくわからないものまで、それらが組み合わさって、一定の機能を構成します。

小さな要素を組み合わせて、なにを実現するのか。一つ上のレイヤーにも着目すべきなのでしょう。

文字の美しさではなく、どんな文章を書くのか。にも、注目するわけです。

文字をきれいに書けるようになるまで小説を書かないとか。文字が綺麗でないという理由で自分の書いた小説を人に見せない。と、言うのは、おかしな話です。

同様に、技術的、経営上の挑戦も、どんどんやってみるしか無いと思います。

以上、元旦からとりとめもなく書いてしまいましたが、最初にも述べたとおり、今年は様々な挑戦をしていきます。その点を見失うことなく、楽しんでいくつもりです。