Android Advent Calendar 2012 (裏) 12/24担当の@keiji_ariyamaです。

表は@t_eggさんです。

現在の時刻は午後8時。25日です。これはAndroid Advent Calendar 2012、12/24日の記事です。

すでに締め切りをオーバーして1日以上経っています。

ごめんなさいごめんなさい。本当にごめんなさい。

Androidからの脱出

どんな話題で書こうか迷ったのですが、今回は2013年に向けた抱負と言う意味でも「Androidからの脱出」について、つらつらと書いていきます。

「脱出したら駄目じゃん」と言う声も聞こえてきそうですが、結局の所、Androidだけでどうにかなる時代に限界が来ることは、わかりきっているわけで。

Androidをやらなくなるわけではなく、仕事としてのAndroidへの依存度を下げて、出来ればサポート範囲を広げていく。そういう努力も必要となってくると考えるわけです。

じゃあ、どこへ行くの?

 とはいえ、どこにでも行けば良いってものではありません。
 僕は、特定の技術をフォローすることは、船に乗るようなものだと考えています。
 一定のラインを超えてしまうと、途中で降りることが難しくなります。もちろんただの比喩表現なので、実際には辞めることは簡単ですが、その技術に費やした時間を考えると、引っ込みが付かなくなると言えば多少わかりやすいでしょうか。
 これは投資に似ているのかもしれません。
 理解や啓蒙に相当の時間をかけたにもかかわらず、技術が発展しない、一般化しない、あげくに消滅(沈没)しようものなら、目も当てられません。
 また、獲得した技術が、ビジネスに結びつく必要があります。これは、その技術によって生産性が向上するか、またはその技術で売り上げが上がるかのどちらか、または両方でしょう。
 出航前にきちんと調べて、「この船に乗ろう」と決める。これが大事なんですが、どんな技術が流行るか。ビジネスになるかなんて、事前に解るわけがないんです。最後は自分の決断が頼りと言うことになりますね。

Maker Movement

 最近、Maker Movementと言うのがもてはやされています。
『様々な道具の低廉化や環境の整備によって、ハードウェアのプロトタイプ製作が容易になり、ハードウェア・ベンチャーが盛り上がるんだぜ!』
 簡単に言えばこんな感じでしょうか。学会に発表されたわけではないので、明確な定義はないように思います。
 このMaker Movement。初めて聞いたときは、首をかしげたのを覚えています。
「それって、前からあったよね?」
 Androidでは、昨年にはADK(Accessory Development Kit)が発表されていました。ADKを使って知り合いの開発者が、様々なデバイスを作っているのを見ていたので、なんで今になって話題になっているのか解りませんでした。
「そうか。名前が付いたのか」
 人間っていうのは不思議なもので、目の前の現象に名前が付くと、これまでに存在したものでも、新しいものに見えるようです。Maker Movementと名前が付いたことは、担ぐべき御輿が突如として現れたように写ったのでしょう。
 あと、これまでハードウェアを自作していた人は、ビジネスのことまで考えている人は少なかったように思います。そこをビジネスにつなげる道筋を付けようとしている意味で、このMaker Movementの果たす役割は大きいと思います。
 それにしても、ずいぶんたくさんの人がMakerの御輿を担いでいるように思います。皆さん、それをどこに運んでいこうというのでしょうか。

AndroidとMaker

 Maker Movementの流れは、名前先行の印象があり、バズワード化する危うさがある反面、Androidの開発者の僕の目には、やはり魅力的な分野に写ります。
 ご存じの通り、Androidは、カーネルからフレームワーク、標準のアプリケーションまでオープンソースになっています。
 組み込み開発者は下(カーネル)から、アプリ開発者は上(アプリ・フレームワーク)から。通常は出会う機会のない異分野の開発者が出会うプラットフォームとして、登場時のインパクトは大きかったのだと思います。
 そして今度は、ハードウェア・エンジニアが加わることになります。もちろん、これまでもAndroidとハードウェアとの連携がなかったわけではありません。その機会が増加するだろうという意味です。
 昔は遠くにあったハードウェアの領域が、Androidと隣接した領域まで来ています。ここを突破口にして、Androidに依存しきった現状を改善したいなぁと、そんなことを考えているわけです。

終わりに

 以上、「Androidアプリ開発者がハードウェアを始める理由」を考えたので、皆さん好きに使って良いですよ。
 ちゃぶ台をひっくり返すようでなんなんですが、どれだけ言葉を並べても、結局の所、大事なのはアウトプットなのだと思います。Maker Movementと言う大きな流れがあることは理解した上で、後は自分のやりたいことを信じるしかないですよね。
 何か挑戦をするときには、成功する理由も、失敗する理由も、ちょっと考えれば軽く100通りは思いつくわけですから。
 僕自身は、Androidやその他の活動を通じて、来年も、みなさんと一緒に、面白いものが作れれば良いなぁと思っています。